「菜穂はずっとそれを溜め込んで誰にも
話さなかった。菜穂と同じクラスの奴で
俺友達いてさ。そいつから聞いたんだけど
そのイジメの中心の奴がこいつ助けたら
殺す。っていでてたらしくて手が出せなかった
らしいんだ。もちろん…俺も。菜穂はその間も
殴られ蹴られの毎日だったらしい。」

今でも後悔している。なんで助けられなかったのか

…俺なら助けられたんだ。

「でもいじめられる理由なんてないよね…?」

「本当は話たくない。でも話すよ。
さっきも話したよね。俺天才ピアニストって
呼ばれてたって」

「え?うん…でも関係なんか…」

「あるよ。ほとんど俺のせいだよ。菜穂が言われて
いたのはね…なんでアンタみたいなのが赤城君の
幼馴染みなの?なんのとりえもないアンタが。」

「…そんなの八つ当たりじゃん…」

「そうだよ。八つ当たりだけでいじめられてたんだ。
そして中2になる時に菜穂の心と身体は砕けた。
聞いたことないかな?学校で1人がナイフで刺された
って言う事件。」

今でも思い出せる。赤い海に横たわる菜穂の顔が。

「それって私達の学校でおきた事件だよね…?」

「そうだよ。その刺された生徒が菜穂だよ。
その時から菜穂の心は砕け散った。
多分今も背中の傷は残ってるよ。」

環は涙を流しながら聞いていた。