「なあ、待てよ。お前は何しにここに来たんだ。」
「…何しに来たのかって?」
「そうだよ。お前は何でここに来たんだ?ここは、俺の居場所だ。だから、」
黒い服を着た女の子が振り向いた。
黒い瞳、黒い長い髪、その特徴は清人と似ていた。
「出て行け…っていうの?ひどいよ?お兄ちゃん。そうか、お兄ちゃんは私よりもこの場所の方が好きなのね?」
こうなると厄介だ。
暴走されて手がつけられなくなる。
こいつは、俺の妹
俺がこの手で殺めた妹。
「別にそうとは言ってないだろ?」
「なら私と一緒に来てよ。」
「どこに行けばいいんだよ。俺とお前じゃ、住んでる場所が違うんだよ。何回言ったらわかるんだ!」
ギロリと妹を睨む。
妹も俺よりもすごい殺気で睨みつけて来る。
「ふーん?でも、そう簡単に私も引き下がるわけにはいかないからね。ここは力づくでも、さらってあげるよ。」
妹の手には大きなナイフが握られていた。
