「はあ?!六十三番が?」


「そうなの!なんか、黒い服を着た女の子が手招きしていて、そしたら行かなきゃって言って…」


五十四番が慌てて俺を探しているから何事かと思えば、まさか六十三番がいなくなっただなんて…


「私が健太を呼びに行くって言った時はまだ歩いていたんだけど、振り向いたらもういなくて…」


そう言って少し顔を青ざめながら慌てる五十四番。


「そう心配そうな表情すんなよ。」


五十四番にデコピンする。


「どうせこの刑務所からは出られないし、どこか変なところに連れていかれていったとしてもちゃんと戻ってくる。」


「…ホント?」


「ああ、ホントだ。」


そう言うとホッとしたように


「ああ良かった!」


と、笑顔で言った。















「お話中すみませーん!」


突然横から話しかけられた。