美久が怒りに顔を真っ赤にして震えていると、


「はいはいそこまで。」


俺と美久を引き離して中に入ってきたのは鈴だった。


「お前らこんなとこで喧嘩すんなよ。で、健太はあまり美久をおちょくらない。」


「だってさー、俺が主任だなんて、無理に決まってるじゃん。」


「やってみなきゃわからないだろう?」


「健太をサポートなんて、嫌だ。」


「案外することないかもしれないだろう?」





鈴のおかげでこの場は丸く収まった。


まあ、とにかくまずはやってみることにした。それに…


(この刑務所について何かのヒントが得られるかもしれないしな。)


そんなことを思いながら十四房に向かった。