「悪いな、考え事をしていたもんで。」


九番は俺から酒を受け取ると、おいしそうにラッパ飲みをした。


「ぷはーー!いやー、おいしいねー」


九番は俺を見上げてニヤッと笑った。


「それで~?俺になんか聞きたいことは?」


どうやら悟られていたようだ。


「聞かせてくれるんだろ?面白い話。」


「お~!言ったね!でもな~、お酒持ってくる前にもう話しちゃったし~。」


「続きがあるだろ、あの部屋の。何があるんだ?」


そう言うと、九番の表情が真剣になった。


「ふふ、いいよ。教えてあげる。





































 あるんだ。囚人リストってやつが。」


囚人、リスト?


「そのリストにはここの刑務所に収容されている全ての囚人と看守の個人情報が記録されているんだ。年齢とか、犯した罪とか、
 死んだ日にちとか?
 すべて書かれているんだ。」


「この刑務所にいる全員のことが、書かれているのか?」


九番は悪戯っ子のように笑い


「どうだろうね~」


そう言った。


「どうだろうね、って、お前....」


「この話はもうおしまい。良い子ははやくお仕事に戻ろうね~」


話は結局中途半端な感じで終わってしまった


本当に、あるのだろうか