お兄ちゃん…どこ行くの…?


置いていかないで…


私も行く…


お兄ちゃんは私がいないと…



「ねえ…体が欲しい?」



欲しい…


お兄ちゃんと一緒にいられる


体が欲しい…


「ふふ…これで今日から君は自由だ…」


歩ける…


動ける…


これでお兄ちゃんを守れる…







お兄ちゃんに触った奴…


うざいなー


そうだ


消しちゃおう


お兄ちゃんに関係する人全部消して、私しか見られないようにしよう


アハハッ!


私って頭いい!


待っててねお兄ちゃん


今、連れて行ってあげるからね…


































「あっ、目ぇ覚ましたよ〜。」


あれ?俺、何で医務室に…?


「やっとか。お前倒れてたんだよ。あっちの世界で。」


「…たおれ…てた…?」


あまりよく覚えていないが、どうやら俺はあの時気を失っていたらしい。


「…?カイン、何でそんな包帯だらけなんだ?」


カインの体には包帯がたくさん巻かれていた。


顔にも傷がある。


「子供はそんなこと知らなくていいんだよ〜」


「子供じゃない!」


ここで止めに入ったのは健太だ。


「はいはい、この話は終わりだ。六十三番はここで眠ってろ。カイン、お前とは話がある。」


「はーい。」


カインと健太は医務室から出て行ってしまった。


医務室に俺は一人。


寝てろと言われてももう眠くないし、具合も悪くない。