妹の血で汚れた包丁を片手に、お母さんを探す。


「どこかな…?お母さん…?」


足にあまり力が入らなく、ついついドシドシ音を立てて歩いてしまう。


足音に気がついたのだろう。


「だれ…?」





そこにいたんだね


お父さんの部屋にいたんだね


そこで何をしているの?


今更気がついたの?


どれだけ自分が馬鹿なことをしたということに


遅い


遅すぎる


せめて一人は可哀想


連れて行ってあげるよ


あなたの愛していた人のところに





















首に飛びついた


首を思い切り締め上げた


子供の手だからかな?うまくいかない。


包丁で頭を刺した。


うるさい声だね


喉元を刺した


何回も身体中を刺した


これだけでも足りない


俺が感じた


亜依が感じた


お父さんが感じた痛みはこんなんじゃない





















「タリナイ…モット…」
























俺の愛はどこ…?