気がつけば俺は部屋の真ん中にいた。


首にはロープがぶら下がってある。


天井にはロープがちぎれた後のようなものが残っていた。


お母さんは何をしようとしていたのか…


扉のドアを開けた。


向こうから苦しそうな声がする。


廊下のところに妹がいた。


血まみれだった。


「お…にぃ…ちゃん…いた…い…よぉ…た…すけ…て…」


ああ…可哀想に


「待っててね?今お兄ちゃんが楽にしてあげるよ。」


いつも亜依に守られてきたから…


せめて、今日だけでも俺が楽にさせてあげなければ…


俺は妹に待っててとだけ言って廊下を出た。


早く戻れるように走った。


台所から包丁を取り出す。


「これがあれば…!」


そう言って妹の方へ走り出す。


妹の前で膝立ちをして、妹と同じ目線に顔を持って行く。


「待っといてね。今楽にしてあげるから…」


そう言って妹のお腹に包丁を突き刺した。



ガハッッ!!


苦しそうに妹が血を吐いた。


ベタッと顔に血が飛び散る。


「早く楽にしてあげるからね?」


ぐりぐりとお腹に刺さっている包丁を動かした。


妹の声はもう聞こえない。


ああ…


これで楽にさせてあげられたのかな?