「やあだ!!ママ!にいにをいじめないで!!」


妹が俺をかばう。


こんな俺よりも小さいのに俺は妹に守られてばかり…


「亜依…」


普通の子よりも少し成長が遅くて、頭の悪い俺のことをお母さんは嫌っていた。


お母さんがかっ!となって怒ると妹まで巻き添えにされる。


妹には迷惑かけてばかりだ。




「ただいま〜」




お父さんが帰ってきた。


俺の大好きな、大好きなお父さん。


お父さんは俺を守ってくれる。


安心することができる唯一の時間。


「なんだー?また怒ってんのか?」


ニッコリと優しい笑顔でお母さんに話しかける。


「あんたには関係ないでしょ?」


お母さんが冷たく言い放ってもお父さんは怒っているそぶりも見せない。


「そうかそうか、おいで清人。」


大きな手が伸びてくる。


優しい大好きな温もり。


「うう…」


ぐずっていると優しく頭を撫でてくれる。