恐ろしいぐらい低い声が聞こえてきた。


「なあ…?一旦さっきのところに戻ろうぜ?絶対やばいって。」


涙目で訴えるがカインは面白そうに、


「えー?行ってみようよー。」


「やだよ!戻ろうよ!」


清人が訴えていた、その瞬間!


ギギィー…


「わあああああああっっっ!!!」


突然あの扉が開いたのだ。


扉の向こうは真っ暗で入口のところに何かがいるのが見えた。


「誰か?いるよ?ほら…」


カインが指をさしたところには、血まみれの女の姿だった。


「な、なんだあれ?」


黒くて長い髪は血で染まったように赤く、真っ黒な服を着た女の姿はまるで…


「怨霊かな…」


カインが呟いた。


「お、怨霊?」


その怨霊はぼそぼそ…と何か言いながら少しずつ、少しずつ近づいてきた。


「…っ………っ………と………」


「?な、何言っているんだ?」


「さあ?」


さすがのカインもこれには気味悪がっているようにみえた。