案外地味に気をつけていたってバレてしまうもの。
「なんで知ってんの?」
「教室で、ヤマザキさんが話してたから。」
彼はムスッと不貞腐れる。それがポーズであることは私だけが知ってる。
「ねえ、また振ったんだ」
「まあね、こんな危ういの、放置出来ない」
彼は私の頭を撫で回した。私はその撫で回される感覚が嫌いじゃ無かった。
「意外と面倒見いいんだ」
「今更だろ」
「それもそうだね」
午後1時の優しい日差しの下、私達は同じ時を過ごす。この平穏はいつまで続くのだろうか。タイムリミットはもう、はじまっていた。