卒業したい、卒業したい。

中学校生活の中で今まで何度となくこの言葉を口にしてきた。こんな生活から早く抜け出してしまいたい。あと1週間、頑張って耐えなければ。

私は一匹狼タイプだ。人との関わりは極力避けたいし、そもそも人というものが苦手。
なぜこうなったか。それはきっと家族のせい。
私は4人家族だ。父、母、私、そして2歳下の弟。
両親は共働きで幼い頃はずっと祖母の家で育てられていた。月に2回、母が私の様子を見にきてくれる。それがとても楽しみだった。しかし、私が2歳の時に弟が生まれた。初めは弟の存在すら知らなかったものの、母が会いにきてくれなくなったことを疑問に思い、祖母に尋ねた。
「なんでママは来なくなったの?」
何も知らない私に、祖母は悲しい目を向けた。あの顔を今でも、そして、あの時の祖母の言葉をいつまでも忘れない。
「ママとパパがずっと望んでた男の子が
 この間やっと生まれたんだ。いや、
 生まれてしまったんだよ。」
5歳の時、私は両親の元へ戻ることになった。両親は弟ばかりを可愛がり、私を愛することはなかった。そして、今に至る。

私は人が嫌いだ。
一匹狼でも不自由なく生活できることは私の今までの生活が物語っている。
しかし、少し寂しい部分はある。
普通の人は、広く温かい球体の中を障害を乗り越えながら進む。私の場合、狭く冷たい平坦な場所ををさまよっている。光がほしいと思うことはあるが、人と関わるくらいなら暗い場所のままでいい。

とまあ、こんな生活を続けてきた。
多くの人と生活を共にしなければならない中学校生活は本当に地獄のようだった。

はぁ。早く卒業したい。