「尊、起きろー」悟は、扉を開けるなり叫んだ。尊は、目を開けた。
「後10分だけ」尊は、また目を閉じた。悟は、布団を取り上げた。
「んー、眠い」尊は、ベッドから降りるとそばに置いてあった制服を取りクローゼットに向かった。悟は、黒いスーツ、オールバックに縁なしメガネをしていた。尊は悟の後を追って階段を降りた。輝は、黒いファーのジャケット、ワイシャツ、ダメージジーンズ、金の時計をしていた。金バッジが輝いて見えた。守は、緊急の呼び出しで昨日からいない。優も東京見学で今日は朝早くに出た。透は、学校の制服にネックレスをしていた。銀色に染めた髪は、肩にギリギリ届いていない感じに長い。結衣は、黒い髪を一つ結びにしジーンズと白いシルクシャツを着ていた。結衣は、朝ごはんを作っていた。透はその手伝いをしていた。輝は、煙草を吸いながらテレビを見ていた。
「おはよう」尊は、ソファーに座りながら言った。
「おはよう」結衣は、尊の前に美味しそうなパンケーキを置いた。尊は、パンケーキを口に入れた。
「ホクホクしてて美味しい」「なら、よかったわ。あ、輝さんのコーヒーできました」「ありがとな」輝は、コーヒーカップを受け取った。
「虐待か…」輝は、ニュースを見ながら呟いた。
「最近、そういうニュース多いですね。」「あー、自分の子供なのにな」輝は、ニュース番組を変えた。
「うわぁ、その俳優さん好きなんです」一人の俳優が、ゲストで来ていた。
「どういうところが」「演技ですかね。何をやらせてもハマり役なんです。特に、裏社会ものをさせたら横に立つものはいないですよ。」結衣はその俳優の大ファンなのだという。
「あ、そういえば。映画ありましたよね。裏社会ものの」「えー、私がハマった理由。尊くん知ってたの」「俺の友達に、強引に誘われて見に行きました。確かヤクザ役でしたよね」「えー、でも相手役の人がクールでいいんですよ」「続編やるんですよね。」「その予告かな」案の定その通りだった。