夕飯も食べ終え瀏児と紅、そして葵は各自部屋に戻りました。瀏児が部屋に戻るとすぐに緑色の箱を開け今まで同様ネジを巻くと箱の中の女の子は目を覚ましたまでは良いがすぐさまその子に突っかかれました。

 「あんた誰よ!私に触らないで!」
 「俺は八神瀏児、八神絆の孫だよ。」
 「お父様の孫?」
 「うん。」

 瀏児はが肯定するとその子はじっと見て疑うような態度をとったのです。

 「君は翠だよね?」
 「なんであんたが私の名前知ってんのよ!」
 「紅達に聞いたんだ。」
 「葵姉さんと紅に?」
 「あ、うん?」
 「二人はあんたをマスターと認めてるなら認めてやらないことはないわよ。」
 「アハハ、ありがとう。」
 「なに言ってんの?ばっかじゃない?仕方なくよ仕方なく、わかった?」

 瀏児が頷くとさっきまでとは違い翠は落ち込みどう反応して良いかわからない彼だった。
 翠を部屋に案内するため瀏児は自室を出て彼女をつれていこうとすると彼女は拒んだのです。

 「あんたはこの部屋に一人で寝て寂しくないの?」
 「えっ?どう言う意味かな?」
 「だから、もしよかったら…その…一緒に寝てやるって言ってんのよ!それぐらい察しなさいよ!ばか!」
 「気持ちは嬉しいけど男女が同室はダメだよ。」
 「別に良いじゃない!」

 翠と瀏児が話していると声に気づいたのか葵と紅が部屋から出てきたのです。

 「翠、瀏児兄さんを困らせてはダメです。あなたはあなたの部屋に案内され早く寝てください。」
 「嫌よ!私は…りゅ…と一緒に…いたい…。」
 「翠、それは私達だって瀏児兄さんと一緒にいたいです。ですが、決定事項を守らなければならない。」

 葵が翠を説得していたのだが瀏児は妙案が浮かびそれを話しました。

 「ねえ、三人とも今日は徹夜でトランプしないか?」

 瀏児の提案に三人は首をかしげその中で紅がトランプについて聞いてきました。

 「瀏児、トランプって何?」
 「カードゲームだよ。ババ抜きしようか?ルールは配られたカードの中からまず同じ数字を捨てて最初の手札を作るんだ。手札ができたら時計回りに相手の手札から一枚抜き同じ数字だったら捨て違ったら手札に加える。最後にジョーカーを持っていたら負け。」

 瀏児からルールを聞いた紅達3人は面白そうと言い賛成しました。
 瀏児の部屋に入った四人はカーペットの上に座り彼はトランプを切ると配りました。配り終えると四人はそれぞれ手札を調整してババ抜きが始まりました。
 葵から順に時計回り進み半ば頃にはそれぞれ緊張しながらやっていました。

 「紅、あなたの番ですよ。早く決めてください。」
 「わかってるって…わかってるけど…迷うんだよ!」

 紅が迷っていると翠がイライラして突っ込みました。

 「紅、さっさと選びなさいよね!順番待ちしてんだから!」
 「ごめんね、これだ!………。」
 「引いたんなら早くこっちに回しなさいよ!」
 「はい、翠の番ね。」

 翠は勘で一発でカードを引き自分の手札と比べ同じカードがあるのを確認するとそのカードを捨てました。

 「はい、瀏児の番さっさと決めてなさいよ。」
 「ハイハイ、じゃあこれにしようかな。」

 瀏児はカードを引くと翠は喜びました。

 「あっがり、私が勝てないものなんてないのだから当たり前よね。」

 翠が一番乗りで上がったことを威張ってると紅は悔しがったのです。