瀏児は自室から台所に行き母さんに訪ねることにした。

 「あら、瀏児おかえり。今日は早いわね。」
 「ちょっと早退してきた。」
 「早退?どこか悪いの?」
 「それより母さん、これなんだけど。」
 「何かしら?これは…。」
 「なにか知ってるんだね?」

 母さんは険しい顔で瀏児を見ながら答えたのです。

 「これはあなたの祖父が残したあなたへのプレゼントよ…でもね、どうしてあなたがこれを持ってるの?」

 母さんの質問に瀏児は昨夜の話をして母さんは頭を抱えながら続けました。

 「要するに約束を破ったのね。」
 「紅達は一体何なんだ?」
 「人形よ、それもただの人形じゃない心を持った人形よ。」
 「心を持った人形…。」
 「瀏児の事だから全て箱を開けるのでしょ?」
 「そのつもりだけど。」
 「なら、後は彼女たちに聞きなさい。」

 母さんはそう言って立ち去ろうとしたのを瀏児は止めました。

 「母さん、その手紙と母さんの言うことが正しいならさ…その、紅達を学校に通わせちゃダメかな?」

 瀏児の発言に母さんは驚きましたが、快く賛成してくれました。
 再び彼は自室に戻ろうとしたら母さんについてくるように言われました。

 「母さんどこいくんだよ?」
 「瀏児、いくら人形とは言えど彼女達は女の子なのよ、男のあなたの部屋に一緒にできないわよ。」
 
 母さんの言葉に賛成した瀏児は母さんに案内された四つの部屋を覚え、中を確認すると二段ベッドが各部屋にあり安心しました。
 そこで母さんと別れ瀏児は自室に戻りました。
 戻った彼は紅が言っていた青い箱を明け、紅の時同様にその中の女の子を起こしました。

 「おはようございます。マスター。」
 「あ、うん、おはよう。葵。」

 葵は紅と違い冷静な感じの女の子でした。
 瀏児は早速本題を葵に聞くことにしたのだが自室に女の子二人はさすがに恥ずかしかったのか彼はリビングに移動しました。
 リビングに着いた瀏児は紅を少しおとなしくさせると葵に重要な本題を聞きました。

 「葵、単刀直入に聞くけど君達が入っていた箱の意味とじいちゃんは何がしたかったのか聞かせてくれないかな?」
 「はい、まずお父様は息子ではなく娘を欲していました。そこで私達を神に背き作り上げました。次に箱の色は私達のテーマです。赤は嫉妬、青は哀しみ、緑は天の邪鬼…今で言うツンデレ、ピンクは甘え、黄色は優しさ、水色は寂しさと怒りです。」
 「ちょっと待って、何で最後の水色はテーマが二つあるの?」
 「水色は、いえ正確には水色と黄色は名嘉幸様に傷つけられた人形だからです。」

 葵の答えに瀏児は驚きを隠せなかった…だが、驚いてばかりもいられず彼はもう一つだけ質問しました。

 「葵、最後に一つだけ聞くけど君達の感情の源って何?」
 「セブンスストーンです。」
 「セブンスストーン?」
 「はい、セブンスストーンは七体の人形がある条件を満たすまで七つに別れ私達の心臓となり感情になります。」
 「条件って?」
 「それは後程、ご説明します。」

 葵は話を終えると立ち上がりどこかへ行こうとしたので引き留め聞くと瀏児の部屋に行こうとしていたので瀏児は紅を呼びさっき、母さんに教わった部屋に案内しました。
 葵と紅を部屋に案内し終え再び母さんのところに行き瀏児は相談しました。

 「母さん、紅たちの服なんだけどいつまでも同じ服じゃまずいよね?新しい服買ってあげれないかな?」
 「わかったわ。まったく、瀏児ったら。後で買い物にいきましょ。でも、あなたは早退したんだから外出はダメよ、わかったわね?」
 「分かってるって部屋で勉強してるよ。」

 話が終わった瀏児は自室に戻り課題はないが教科書とノートを開き自習することにしました。