一方瀏児はなんとか学校へ間に合い教室で自分の机に荷物を置くと鞄から祖父の手紙を出して再び読みました。

 (昨日の夜もこれを読んだけどいまだに理解できないんだよな。じいちゃんは何がしたかったんだろう?)

 瀏児が手紙を読みながら考えてると横から友達の片桐蓮矢が冷やかしながら声をかけてきました。

 「おい、瀏児ラブレターか?モテる男は良いよな。」
 「違うよ、これはじいちゃんからの手紙だよ。」
 「お前のじいさんは死んだんだから遺言状か?」
 「まあ、そんなところかな。」
 「俺にも見せてくれよ。」

 瀏児は一人で考えても答えが出ないので第三者の意見を聞くために蓮矢に手紙を見せました。
 
 「意味わかんねー。生きた人形?怪談話か?笑えないぜ。」
 「だよな。」
 「なー、仲澤こっち来いよ。」

 蓮矢は仲澤美優紀を呼び出し瀏児の席に来させたのです。

 「片桐君何かな?」
 「仲澤これ見てみ。瀏児のじいさんからの手紙なんだが、意味わかんねーよな?」

 美優紀が蓮矢から手紙を受け取るとその内容を真剣に読み考えました。

 「ごめんなさい、八神君。私にもおとぎ話にしか見えないよ。」
 「だよなー、やっぱり。現実味感じないよな。」
 「瀏児考えてみろよ、そんなの現実にあったら怖いだろ?」
 「じゃあさ、放課後俺の家に来いよ。」
 「良いぜ!見てやるよ、その生きた人形とやらをな!」
 「私も行くね。」

 蓮矢と美優紀は放課後、瀏児の家に行くことに決まり担任が来たのでホームルームが始まった。
 ホームルーム中も先生の話は頭に入らず手紙の事と祖父のしたかったことや父親の考えなどの考えが頭の中を占め尽くしていた。
 上の空でいた瀏児に先生は心配して保健室に行くように勧めたのです。
 
 「大丈夫です。」
 「大丈夫ってお前ずっと上の空だぞ?」
 「すいません、早退します。」
 「わかった。気を付けて帰れよ。」

 瀏児は荷物をまとめて自宅に帰り、だがその帰り道も考え事がたくさんありすぎて怪我をしそうになった。
 自宅に着いた瀏児は自室に戻り再び残りの箱を見つめたのでした。が、帰ってきた彼に向かって紅が抱きついてきたした。
 紅を引き剥がし瀏児は彼女が入っていた箱を見てはやはりへんてつもない箱でだけど疑問が膨れ上がった。