白い肌に刺された針から血が抜けていく。


白衣を着た女性は何の感情も出さない表情で僕の血を試験管に入れていった。


「今日の検査はこれでおしまいです」


彼女から許可をもらい、僕は捲りあげていた袖を伸ばす。

腕にはもう針の痕は残っていない。


「研究はどう? うまく進んでる?」


「そう簡単に進むなら、今頃巷は不老不死で溢れかえっていますよ」


彼女は冷ややかな目で、馬鹿にするように僕を見た。





僕の体は普通じゃない。

決して老いることはなく、どんな傷をも癒やし、病にかかることもない。

不老不死。


僕はそう呼ばれるこの体で、何億年もの長い年月を生き続けている。