僕が目を覚ましたのは座敷牢だった。

手枷に足枷、さらに首輪までつけられている。
どうやら、どんな自由も許されないらしい。


というか、平成と呼ばれるこの時代にこんな場所がまだあったことに驚きを隠せない。



「手荒な真似をしてすいませんでした」


牢の向こうから声が聞こえた。

顔を隠していた布をとった彼は楽しそうな表情を浮かべている。

僕の記憶にあるよりもずっと、彼は歳を重ねていた。


「あの悪魔に貴方を奪われてから、この日をどれだけ切望したことか!」


僕に依存し人生を狂わせた彼。

僕に関わったせいで殺されてしまった千歳ちゃん。



周りを不幸にしてしまう僕は本当に罪深い。
何をしようと贖えないほどに。