嘘みたいな日常




彼が暴れるたんび、物が壊れた。
買ったばかりのテレビ、お皿、テーブル。

そして、あたしの体には無数の痣。

顔にできた痣は、化粧で誤魔化していた。


ある日、彼が酔っ払って朝方に帰ってきた。

「 俺が邪魔なんだろ? 」

急にそんなことを言われてびっくりした。
確かに、邪魔だった。

「 これで、俺を殺せよ。 」

一瞬、思考が止まった。
自分の前で、DVの彼が包丁を持ち出して
俺を殺してくれと言われても
いくら邪魔でも、いくら憎くても
殺人犯にはなりたくない。

「 このままだったら、指紋ついちゃうよね。
 ほら、これだった指紋つかないよ。 」

包丁にティッシュを巻いて、渡してきた。

内心、いよいよとち狂ったんだなと思った。

渡された包丁は、何も言わずしまった。

そこから、何時間か言い合いが続いた。

やっと落ち着いて、あたしは仕事に出た。