「はぁ、朝かぁ。」

私は、駅までの道をトボトボと歩いている。

「ん?」

見慣れた後ろ姿の少女-碧子-が、海を見つめて、ふぅ、と、溜め息をついていた。

「碧子さん?」

私がそう呼ぶと、彼女はくるりと振り返る。

やはり。
碧子さんだわ。

「どうしたの、碧子さん。はやく学校に行きましょう。」

私は碧子のシャツの袖を軽くひいてみた。