「ああ、兄貴の社長就任パーティーだろ?顔出すよ。…はぁ?パートナー?んなの、いらねぇだろ。…あて…はないこともないけど、1人でもいいだろ。…金と権力目当てに女が寄ってきてウザイからつれてこい?オレは会社に関わってねぇだろ。」

…ああ、決定的だ。

いつもの通り、研究室にお菓子を持ってきた私の、ドアを開ける手が止まる。

お兄さんが会社の社長?

パーティー…。

何よりパートナーがいる。

…最初から失恋だし、住む世界も違い過ぎる…。

どうしよう…こんなに好きになっちゃった。

涙が止まらない。

手が震える。

毎日毎日好きになっただけなのに。

…諦められるのかな、私。