「綾美ちゃん、何があったの?」

息を切らしている小夜子の様子からして見ると、走って自分のことを追いかけてきてくれたようだ。

ボロボロと、綾美の目から涙がこぼれ落ちる。

「――うっ…わああああああんっ!」

大きな声で泣き出した綾美に、小夜子は同じ目線にしゃがみ込むと背中をなでてくれた。

小さな子供のように泣き続ける綾美を、小夜子は何も言わずにただ慰めた。

綾美が落ち着くと、小夜子は彼女を近くのコンビニへと連れて行った。

コンビニの前のベンチに綾美を座らせると、小夜子は飲み物を買うために中へと入って行った。

「はい、どうぞ」

小夜子は綾美に買ってきたばかりのスポーツドリンクを差し出した。

「――ありがとう…」

綾美はそれを受け取ると、小さな声でお礼を言った。

彼女の喉が動いて水分を補給したことを確認すると、
「一体、何があったの?」

小夜子は綾美に声をかけた。