海の中に入って一緒に泳いだり、砂浜でビーチボール――これもパラソルと一緒に会社から借りてきた――でバレーボールをしたり、お腹が空いたら海の家で焼きそばとかき氷を食べた。

時間はあっと言う間に過ぎて、夜になった。

小夜子と綾美は駅のコインロッカーで荷物を預けると、再び海岸に戻った。

昼も人が多かったのだが、夜になったとたんに人がさらに増えたのは気のせいだろうか?

「地元の人たちもきているのかな?」

小夜子は綾美に声をかけた。

「たぶん、そうかも知れないね」

綾美は返事をした。

晩ご飯に海の家でたこ焼きとラムネを購入すると、それを食べながら花火大会が開催されるのを待った。

「もうそろそろで始まるね」

綾美が腕時計に視線を向けると言った。

「そうだね」

小夜子はそう返事をすると、ラムネを口に含んだ。