だけど、これも仕事だと小夜子は言い聞かせた。

自分の仕事は“友達”なのだ。

「1時にバイトが終わるから、2時でいい?

2時にS駅で待ち合わせってことで」

綾美が言った。

「えっ、バイト?」

彼女の口から出てきたそのワードに、小夜子は聞き返した。

「綾美ちゃん、バイトしてるの?」

そう聞いた小夜子に、
「うん、バイトって行ってもお父さんの店でこづかい稼ぎだけど」

綾美が笑いながら答えた。

そう言えば、綾美の父親はファミレスの店長をしていると言っていた。

「ヒマだったら店を手伝えって言われちゃってさ、大変だけど結構楽しいよ。

従業員もお客さんもすっごい優しいし」

綾美からの連絡がなかったのは、彼女がバイトしていたからなのかと小夜子は思った。