【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

小夜子は去年の大学卒業と同時に、厳しい就職活動の末に内定をもらった会社に入社した…のだが、そこはいわゆる“ブラック企業”と呼ばれている会社だった。

父親とさほど年齢が変わらないおじさん上司たちにこき使われるだけこき使われ、馬車馬のように働かされた。

土日祝日は休み、朝９時から夜５時までと言う内容にひかれて入社したと言うのに、実際は朝の７時から働いて夜は遅くても１０時まで、日によっては終電に飛び乗って帰宅すると言う日もあった。

土日祝日も関係なく朝早くから夜遅くまで働かされて、残業代は出ないのに残業をさせられた。

意味のないサービス残業に休日出勤、福利厚生も使えるものは特になし。

ボーナスがないと言うのはまだ我慢できるが、朝早くから夜遅くまで働かされるのに給料は少ないと言うことに納得ができなかった。

その会社には小夜子を含めて９０人ほどが入社したのだが、その生活に耐えることができなくて周りは次々と退職して行った。

その生活を半年間と続けていたせいで躰が悲鳴をあげたため、小夜子は逃げるように会社を退職したのだった。