8月に入った。

同時に、小夜子が『ハッピーライフ』で働き始めてから2週間が経った。

綾美とは1回だけ遊んだきりで、それ以降は特に会うことはなかった。

自分から連絡を入れようかと思ったが、綾美の都合を考えてやめた。

(もしかしたら、ちゃんと“友達”ができたのかも知れない)

それも自分のようなレンタルではなく、本当の友達が綾美にできていることを小夜子は心の底から願った。

綾美と会えない間も仕事はあるので、小夜子は仕事を順調に覚えながら依頼者と一緒にさまざまな場所に出かけた。

「一緒に行くはずだった友人が夏風邪をひいたので、一緒に遊園地に出かけて欲しい」
と、依頼されたら依頼者と一緒に有名テーマパークに出かけてそこで1日を過ごした。

「女1人で居酒屋に行くのは怖いから一緒にきて欲しい」
と、依頼されたら澄香と一緒に出向き、依頼者と共に居酒屋で飲んだ。

週に2回の休みは疲れを癒すために1日中ゴロゴロすることもあるが、趣味のお菓子作りや買い物を楽しんだ。