「頑張ってください」

そう言った小夜子に、
「うん、頑張りついでにいい男も見つけてくる♪」

澄香はニッとグロスがたっぷりと塗られている唇をあげると、手を振りながら小夜子の前を立ち去った。

「あっ、そうだ。

わたしも綾美ちゃんと遊びに行くって言う報告をしなきゃ」

小夜子は幸代の姿を探した。


社長室では由紀恵が書類のチェックをしていた。

「失礼しまーす」

そこに入ってきたのは幸代だった。

由紀恵は書類から顔をあげると、幸代を見た。

「はい、アイスティーです」

幸代は由紀恵のデスクのうえにアイスティーを置いた。

「どうも、ありがとう」

由紀恵は返事をすると、ストローでアイスティーをすすった。