「はーっ、10年か」

そう言ったのは澄香である。

「本当にすごいっすねー。

マキ、社長さんをリスペクトしたっすー」

皿に盛りあわせている料理を食べながら、マキヨは言った。

「社長と三松さんを含める数人とマンションの一室で経営していた会社が、今は大企業と肩を並ぶほどになりましたからね」

小夜子はそう返事をして、由紀恵と幸代の方に視線を向けた。

2人は楽しそうに談笑をしながら料理を楽しんでいた。

「でも残念なことに、金持ちのイケメンはいないみたいだわ…」

招待客を見ながら、澄香は嘆くように呟いた。

「ああ、そう言えば今度の休みに合コンをやるんすけど、カワスミ先輩も一緒にどうっすか?」

思い出したように言ったマキヨに
「もちろん、行く!」

澄香はグッと親指を見せた。

そんな様子に、小夜子はフフッと笑みをこぼしたのだった。

☆★END☆★