【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

「ああ、ごめんなさい。

あなたがあまりにも真剣に広告を見ているものですから、つい声をかけてしまいました」

ピンク色の唇を動かして音を発した彼女はフフッと笑った。

「ご紹介が遅れて申し訳ございませんでした。

決して怪しい者ではございませんので…」

彼女は白いハンドバッグから蝶々のイラストが入っている名刺入れを取り出した。

そこから名刺を１枚取り出すと、
「初めまして、こう言うものです」

綾美に差し出した。

「あっ、どうも…」

綾美はそれを受け取ると、名刺に視線を向けた。

『人材派遣会社「ハッピーライフ」

代表取締役社長 美作由紀恵』

「しゃ、社長さんですか…！？」

綾美は驚いて、名刺から顔をあげた。

「ええ、美作由紀恵（ﾐﾏｻｶﾕｷｴ）と申します」

彼女ーー美作由紀恵は丁寧に頭を下げた。

頭を下げたその動作は流れるようで、とてもキレイだった。