その翌日の学校帰りはデパートに行って、有名ブランドのメイクセットを購入した。

その足で下着売り場へと向かい、自分好みのかわいくて美しいデザインのランジェリーセットを全て購入した。

支払いは全て、母親の財布からである。

全ての買い物を済ませたその日の夕飯は、マクドナルドのハンバーガーセットだった。

(美味しい!

こんな美味しいものを食べたの、生まれて初めて!)

安里は夢中でハンバーガーセットを完食した。

お腹も満たされて、両手いっぱいに買い物袋を抱えた安里は今までになかった満足な気分に包まれていた。

(もうこれで、私は自由なんだ!

これからは好きなだけ、好きなようにして生きればいいんだ!

好きな服を着て、おしゃれして、好きなものをたくさん食べればいいんだ!)

長い時間はかかってしまったけれど、自分はようやく自由を手に入れた。

両親の異常なまでの愛情から、自分は逃れることができたのだ。

安里は鼻歌を歌いながら自宅までの道を歩いた。

 * * *