【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~

その日から安里は、孤立した。

クラスメイトに話しかけても無視をされて、授業や野外学習でグループを作る時は必ず仲間外れにされた。

担任の説得で仕方なくグループには入れてもらうものの、うまくグループになじむことができなくて結果的に孤立した。

小学5年生の時だった。

「ねえねえ、金子さんは『ガクセン』って言うドラマ見てる?」

クラスメイトが安里に話しかけてきた。

最後に話をしたのは2年生の時だったので、安里は嬉しかった。

だけど、話に出てきたテレビ番組の名前は知らない。

家ではいつもNHKを見ているからだ。

「えっと、『ガクセン』って…」

「アコちゃん」

会話をしようとした安里を止めたのは、沙織だった。

「金子さんはね、そんなくだらないドラマは見ないんだよ」

沙織が安里のことをバカにするように、アコに向かってそう言った。