【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~

母親がリビングに戻ってきた。

「安里ちゃん、もう少しでおやつができるから」

そう言った母親に、
「何で!?

何で、沙織ちゃんを追い返したの!?」

安里は目に涙をいっぱい溜めながら母親に言った。

「アンリ、熱なんて出てないのに何で“熱が出た”って言ったの!?

何でなの!?

お母さん、いつもアンリに“ウソはダメ”って言ってるのに何で沙織ちゃんにウソをついたの!?」

「安里ちゃん」

母親は安里の両肩に自分の両手を置いた。

「これは、安里ちゃんのためなの。

ママは安里ちゃんのためを思って、沙織ちゃんにウソをついたの。

これはね、安里ちゃんのためのウソなの」

そう言った母親に、
「うん…」

安里は呟くように、返事をすることしかできなかった。