【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~

そうしている間に、
「アーンーちゃーん!」

沙織が迎えにきた。

「あっ、沙織ちゃんだ」

安里がそう言って玄関に行こうとしたら、母親は早足でそこへと向かっていた。

「お母さん…?」

母親は、これから何をすると言うのだろうか?

「ごめんね、沙織ちゃん。

安里ちゃん、帰ってきたとたんに熱を出しちゃったの」

母親は沙織に言っていた。

「えっ、そんな…」

「アンちゃん、さっきまで元気だったよ?」

沙織は信じられないと言うように聞き返した。

「沙織ちゃんに移っちゃうといけないから、今日はごめんなさいね」

母親はそう言ってバタンとドアを閉めたのだった。

「何で…?」

母親の行動に、安里は訳がわからなかった。