【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~

「――うっ、ひっ…くっ…」

安里は泣きながら家に帰ってきた。

「どうしたのよ、安里ちゃん」

昨日と同じように母親が玄関まで迎えにきた。

「エミコちゃんに…エミコちゃんに、遊ばないって言われたの…。

エミコちゃんのお母さんがアンリと遊ばないでって言ったから、もう遊びたくないって…うわああんっ!」

安里は大きな声を出して泣いた。

「アンリ、エミコちゃんに悪いことしてないのに…!

でも、エミコちゃんはアンリが…アンリが嫌いだからって…わああんっ!」

大きな声で泣いている安里を母親は抱きしめた。

「大丈夫よ、安里ちゃんにはパパとママがいるでしょう?」

「うん…」

母親の腕の中で首を縦に振ってうなずいた安里に、
「パパとママは安里ちゃんのことを嫌いにならないから。

ね、だから泣き止んで一緒におやつを食べましょう。

今日は安里の好きなホットケーキだから、ママと一緒に食べましょう」

母親はそう言って安里を抱きあげて、リビングへと連れて行った。