続いて2つ目の留守電が再生された。

「米村です、私と会ってください。

私の話を聞いてください。

お願いします」

2つめの留守電の再生が終わった。

「――何が謝りたいよ…」

米村からの留守電が再生された固定電話をにらみつけながら、由紀恵は呟いた。

ペットボトルを持っているその手は、怒りでワナワナと震えていた。

「真っ先に裏切って、あいつ側に回ったのはあんたでしょう…?

それを謝りたいから会ってくれ、話を聞いてくれって、一体どう言う神経をしてるのよ!」

由紀恵は早足で固定電話に歩み寄ると、2件の留守電を消した。

「何が謝りたいよ!

何が会ってくれよ!

何が話しを聞いてくれよ!

裏切ったのはそっちのくせに!

いじめたのはそっちのくせに!」

固定電話に向かって怒鳴ると、壁に向かってペットボトルを投げつけた。