「えっ…」

一瞬、何を聞かれたのかよくわからなかった。

「招待って誰を?」

そう聞き返した安里に、
「やーね、友達に決まってるじゃない。

あたしは高校の時に仲良くしてた子を呼ぼうと思うんだけど、安里はどうする?」

美紀が言った。

「あー、そうだね…」

安里は曖昧に笑って、首を縦に振ってうなずいた。

(私にとって友達と言えば、大学でできた子のことを言うんだけどな…)

18年間と過ごしてきた地元に“友達”と呼ばれる存在の人は誰もいなかった。

――あいつ、つまんねーよな

――一緒にいたってロクな遊びを知らないし

――安里ちゃんと遊んだって楽しくないもん!

――もう安里ちゃんとは2度と遊ばない!

頭の中で封印していたはずの古い記憶がフラッシュバックを起こしかけた。