それから1週間後のことだった。

安里は美紀と一緒に大学近くのスターバックスにいた。

「ねえねえ、今度さ織江の誕生日があるじゃん」

そう言った美紀に、
「ああ、もうすぐだったね。

今年の誕生日プレゼントはどうしようかな?」

安里は新作のフラペチーノを飲みながら、友人へ送る誕生日プレゼントを考え始めた。

「今年は盛大にホテルで誕生日パーティーをやるんだって。

織江も金持ちだよねー、お父さんが貿易会社の社長だったっけ?」

確認するように聞いてきた美紀に、
「あー、何かで言ってたねー」

安里は首を縦に振ってうなずいた。

「いいよねー、お嬢様は。

パーティーはきっとすごいよ」

「…そうだね」

安里は美紀の話に相づちを打った。

(私のところなんか誕生日パーティーすらもなかったよ)

心の中でそう呟いたら、
「安里は誰か招待する?」

美紀が聞いてきた。