ブーケを受け取ったのは、
「あーっ、マキヨちゃんだー」

こちらの方に視線を向けた愛香は笑いながら言った。

「えーっ、マキっすかー」

吸い込まれるように手の中に入ったブーケに、マキヨは戸惑っていた。

「おめでとう」

戸惑っているマキヨに向かって、琴子はおもしろがるように言った。

「いや、マキに結婚は無縁っすよー」

そう言ったマキヨに、
「早くあんたを養ってくれるいい人を見つけて、とっとと結婚したら?」

琴子は言い返した。

「琴ちゃん、あんまりっすよー」

嘆くように言ったマキヨに、参列者たちから笑いが起こった。

思わぬハプニングとそれによって起こった笑いで、愛香と各務原の結婚式は終了した。