「こうやっていじめっ子たちを蹴散らして…」

マキヨは足をあげてキックをする動作をした。

「それでいじめっ子の胸倉をつかんで、一言っすよ。

“あんたたちはこんなことをして恥ずかしくないのか!?

お父さんとお母さんがちゃんといるあんたたちはまともじゃないんだな!”って」

マキヨは相手の胸倉をつかむ動作を見せると、そう言った。

「もうやめてよ…。

あたしはただ単に、あんたをいじめてるあいつらが許せなくてやったことなんだから」

琴子は呆れたように息を吐きながら言った。

「この場で言うのもあれなんすけど、白川ちゃんのことは…」

そう話を切り出したマキヨに、
「もちろん、義姉として認めるわ。

結婚詐欺師だって疑ったことも、ちゃんと謝る。

さっきの様子を見て、お兄ちゃんとならうまくやって行けるって思った」

琴子は言った。

「そうっすよねー」

笑いながら言ったマキヨに、琴子もクスッと少しだけ笑ったのだった。