愛香は1つ1つと丁寧に、各務原に話した。

子供の頃からコミュニケーション障害で、友達がいない学生時代を過ごしたこと。

各務原に友達を紹介して欲しいと言われたことがきっかけで、『ハッピーライフ』に友人代行を頼んだこと。

結婚前の最後の思い出作りとして、合コンに参加したこと。

各務原に何もかも全てを話して、打ち明けた。

「何だ、そうだったんだ」

話を終えると、各務原が言った。

「今まで黙ってて、ウソをついて騙して、本当にごめんなさい」

愛香は頭を下げて、各務原に謝った。

「そんなことならば、もっと早く打ち明けて欲しかったよ」

そう言った各務原に、
「話したら軽蔑されて、もう2度と会ってくれないんじゃないかと思ってたの…」

愛香は呟くように言った。