「手当は残業手当の他にも通勤手当がつきます。

上限2000円まででしたら会社の方でお支払いをします。

それから保険なのですが、健康保険と厚生年金保険と雇用保険と労災保険に入ることができます」

「ありがとうございます」

小夜子は頭を下げてお礼を言った。

さらに嬉しい得点に小夜子は声を出して喜びたくなった。

前の会社は残業手当はもちろんのこと、通勤手当も出してくれなかった。

それだけならまだしも、保険も何にもないと言う最悪さである。

何より、前の会社にはなかった休みがあると言うのも喜ばしい事実だ。

「書類の方なのですが…」

幸代は封筒の中からさまざまな書類を取り出して、小夜子の前に置いた。

契約書が1枚と通勤手当の書類が1枚…と、少なくとも5枚くらいは自分や両親が書くべき書類があった。

幸代から書類の説明を受けながら、小夜子は決意していた。

(この会社は絶対に辞めない、会社のために貢献しよう…!)

久しぶりの働く意欲に、小夜子は燃えていた。