愛香はようやく顔をあげると、
「――彼と…雅俊さんと、話しあってみます」

呟くように宣言をした。

「その意気です」

小夜子が笑って首を縦に振ってうなずいた。

愛香がカバンからスマートフォンを取り出したら、
「あっ…」

画面を見たとたん、愛香はクスッと笑った。

「どうかされましたか?」

成美がそう聞いたら、
「雅俊さんからのメッセージがきていたんです」

愛香はそう言ってスマートフォンの画面を見せてきた。

「ありゃ、5件もある…」

澄香は驚いたと言うように呟いた。

「それくらい、白川さんのことを心配していたんだと思いますよ」

成美はフフッと笑った。

愛香は深呼吸をすると、指でスマートフォンの画面を動かした。