「いや、でも結婚前っすよー?

いくら何でもマズいんじゃないかと思うっすー」

マキヨは説得を試みるが、
「お願いします、結婚前の最後の思い出作りとして参加してみたいんです」

愛香は引き下がらなかった。

「弱ったっすねー…」

マキヨはうーんと、考え込んだ。

「じゃあ、1度だけっすよー?

しかも、数あわせの役として参加するだけっすよー?

男の参加者と一言も会話をしないで、適当に飲み食いしてくださいっすよー。

それでいいっすねー?」

考えた末、マキヨは条件を出して愛香の参加を認めた。

「はい、ありがとうございます」

愛香はお礼を言うと、頭を下げた。

「それじゃ、早くアイスを…って、ほとんど溶けてるっすー!」

溶けて小さくなってしまったアイスにショックを受けているマキヨに、愛香は笑ってしまった。