「おはようございまーす」

小夜子はいつものように会社に出社した。

「おはよう、光浦さん」

「おはようございます」

澄香と成美が声をかけてきた。

「あれ?」

何気なくマキヨのデスクに向けた小夜子は、そこに当の本人がいないことに気づいた。

「春田さん、まだ出勤していないんですか?」

自分のデスクにカバンを置くと、小夜子は澄香に声をかけた。

「今日は直接白川さんのところに行くんだそうですよ」

そう答えたのは成美だ。

「えっ、直接ですか?」

小夜子は聞き返すと、椅子に腰を下ろして今日の予定の確認を始めた。

今日は18時に友人代行として、依頼者と一緒に食事をする予定が入っていた。