【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~

同じ頃、由紀恵は社長室にいた。

「由紀恵ちゃん、どう?」

小夜子の履歴書を見ている由紀恵に幸代は声をかけた。

「さっきの子…えーっと、光浦さんだっけ?

結構いい感じの子だと思うよ。

朝ドラに出演してた…えーっと、誰だったかな?

とにかく、その子にもよく似ていたし」

そう言った幸代に、
「でも、この子の職歴を見てよ」

由紀恵は幸代の前に小夜子の履歴書を差し出した。

「あーっ、前の会社があの…」

履歴書を確認した幸代は頬に手を当てた。

「先月に20代の男性社員が過労で自殺をしたって言うがニュースが出ていたでしょう?

上司からパワハラ被害を受けて、1ヶ月の時間外労働が150時間も達していたって」

「だけど、光浦さんだってある意味被害者じゃない。

それに彼女だって逃げてきたんだと思うよ」

幸代はそう言い返すと、由紀恵に履歴書を返した。