「彼には、友達がいないことは言っていません。

だけどもし、私に友達がいないってことが彼にバレてしまったら…」

愛香は頭を下げると、
「お願いします、3人ほどでいいんです。

彼に友達を紹介したら、後は忙しくて会えないとか連絡がとれなくなったとでも言ってごまかします。

お金は出します。

彼に友達がいないことがバレてしまったら、私…」

言い終わると、洟をすすった。

「わかりました」

そう言った由紀恵に愛香は顔をあげた。

「友達を3人代行と言うことですね」

由紀恵はどこからかファイルを取り出すと、それを愛香の前に広げた。

ファイルにはスタッフの顔写真と氏名が書いてあった。

「白川さんが友人として希望するスタッフを3人お選びください。

後日、そのスタッフを白川さんのところへ派遣させます」

そう言った由紀恵に、
「あ…はい、わかりました」

愛香はファイルを手に取ると、スタッフの顔写真を見つめた。