「いやーっ、間にあったっすー」

ようやくやってきたマキヨがフーフーと荒い呼吸をしていた。

「ど、どうしたの?」

一体何があって、ここまで走ってきたのだろうか?

そう思いながら小夜子が声をかけたら、
「カワスミ先輩とサヨコ先輩って、午後の業務はなかったっすよねー?」

呼吸を整えたマキヨが聞いてきた。

「午前中はビラ配りの人出が足りないからと言うことで派遣されたけど、午後は特に入っている業務はないです。

そうですよね、川越さん」

小夜子がそう言って澄香に声をかけたら、
「まあ、そうだったわね…」

澄香がマキヨを警戒しながら答えた。

「ああ、よかったっすー」

その答えにホッとしたと言うように、マキヨが言った。