「もう、何なのよ!

失礼にも程があるじゃないのよ!」

2人の姿が見えなくなると、澄香はフンと鼻息を荒く吐いた。

「まあまあ、春田さんも悪気があって言った訳ではないですから。

わたしとしてはすぐに名前を覚えてくれてよかったなって思います。

最近は上司の名前を覚えない新入社員もいるそうですから」

小夜子がなだめたら、
「そう言う風に甘やかすのがいけないの!

それに何よ、あのしゃべり方!

“~っすー”って、語尾を伸ばしてしゃべるのは社会人としてどうなのよ!?

非常識にも程があると思わない!?」

澄香は闘牛のようにフンフンと鼻息を吐きながら言った。

「あの子、今にも絶対に問題を起こすわよ!」

「そんな大げさな…」

そこまで断言できてしまう澄香に、小夜子は胃が痛いと言うようにお腹を押さえた。