（いいな、長い間つきあってる仲間がいるって）

その様子を見ながら愛香は心の中で呟いた。

「ねえねえ、各務原くんとはどこで出会ったの？

あっ、私はね、マリコって言うの」

仲間の女の子――マリコが聞いてきた。

「えっ、ああ、はい…。

雅俊さんとは２年前に勤務先の病院で会ったんです。

彼が仕事中に手を切って、それで病院に駆け込んできたことがきっかけで」

愛香がそう答えたら、
「えーっ、何だかロマンチックー」

マリコはキャッキャッとはしゃいだ。

「それで彼が治療のために何回か病院に通っているうちに交際を始めたんです」

「うわーっ、いいなー。

それで、もうすぐで結婚するの？」

「はい、近いうちにお互いの両親へごあいさつに行く予定です」

「きゃーっ、もう間近じゃん！」

はしゃいでいるマリコを見ながら、愛香は白ワインを口に含んだ。