冷房がよく効いていたビルを後にすると、残暑の厳しい空気が躰を包んだ。

「まだまだ暑いですねー」

そう言った小夜子に、
「外回りが終わったら、サーティーワンでアイスを食べましょうか?

ごちそうしますよ」

由紀恵が言った。

「えっ、ホントですか!?

やったー!」

小夜子は両手をあげて喜んだ。

「望月さんはその後どうですか?」

そう聞いてきた由紀恵に、
「武井さんと話しあって無事に和解をしました」

小夜子は答えた。

「昨日、望月さんからメールをいただいたんですけれども友達ができたそうです」

続けてそう言った小夜子に、
「そうですか、それはよかったです」

由紀恵は嬉しそうに言った。